クレアチンは、筋肥大、筋力アップ、無酸素運動(短時間で大きなパワーを発揮する運動)のパフォーマンスアップなどに効果があり、筋力、パワー系アスリートや筋肉量を増やして(筋肥大)たくましい体を目指している人には、その効果を十分に享受できるサプリメントである。
仕組みとしては、クレアチン摂取により筋クレアチンとクレアチンリン酸の濃度が上昇することで高強度トレーニング中のエネルギー代謝(エネルギーを生み出す)が高められる。
その結果、より大きなパワーを発揮できる。また、そのパワー発揮の時間を伸ばすことができるのである。
研究によると、クレアチン摂取群と未摂取群を比較した場合、4~12週間のトレーニングにおいて摂取群の方は徐脂肪体重(筋肉、骨、内臓などの総量)が未摂取群の2倍増加したという報告がある。
徐脂肪体重の増加の多くは筋肉であると考えられ、それほど効果があるのがクレアチンなのだ。
筋肥大を目指している人、スピードやパワーを付けたいアスリートは、ぜひ摂っておきたいサプリメントである。
なお、サプリメントには、パフォーマンスやコンディショニングの向上をサポートする「エルゴジェニックエイド」と不足する栄養素を補う「ダイエタリーサプリメント」がある。
クレアチンはエルゴジェニックエイドで、高強度のトレーニングパフォーマンスを向上させる。現代で手に入れられるサプリメントで最もエルゴジェニック効果の高いサプリメントであると言われている。
その他、エルゴジェニックエイドでは、BCAA、カルニチン、カフェイン、ウコンなどがある。
(ちなみにプロテインは、不足するタンパク質を効率的に補うサプリメントで「ダイエタリーサプリメント」に分類される)
私の以前の経験を例にすると、摂取する前はベンチプレスのMAX(※)が80kgだったものが、ローディング期間後(5日後)にMAXに挑戦すると82.5kgになっていた。(※MAXとは何とか1回だけ反復できる重量)
また、65kgで8レップが限界だったものが、9レップできた。こういったことが期待できる。(※レップ=レペティションの略で反復を意味する)
つまり、筋肥大に焦点を当てた場合、上げられる重量(または回数)が増す(仕事量が増加する)ことでより一層筋肉に刺激を与えることができ、その結果、栄養補給と相まって、さらなる筋肉の成長を促すことができるのである。
効果的に筋肥大を促したい場合をはじめ、挙上重量が頭打ちした場合や伸びが鈍化している場合にもクレアチンを試すとよいだろう。
効果をまとめると以下の通りとなる。
・筋肥大 ・筋力アップ ・パワーアップ ・徐脂肪体重の増加(脂肪を除いたときの体重。筋肉や骨、内臓など) ・スプリントパフォーマンスアップ |
クレアチンは、ここまで解説したように直接的にパフォーマンスを高める効果があるが、その他のサプリメントには不足分を補ったり、吸収速度を高めることで効率的な栄養補給を補う役目を担うサプリメントがある。
いわゆる、体づくりや健康づくりをサポートするダイエタリーサプリメントである。
簡単に言えば、クレアチンを代表とするはエルゴジェニックエイドは代わりになるものを食品から大量に摂ることができず、ダイエタリーサプリメントは食品からでも多くを摂れるものであると考えよいだろう。
ダイエタリーサプリメントの代表、かつ効率的な筋肥大に欠かせないものが「プロテイン」。
プロテインはタンパク質なので、当然食品からも摂ることができる。
違いは、効率的に摂ることができる点である。
消化吸収のタイミングを狙って摂取することができ、消化に時間がかかる食品で難しいところである。
特に筋肉づくりを目指している場合に効果を発揮するのが、「ホエイプロテイン」である。
ホエイプロテインのもっとも大きな特徴は、消化吸収が早いこと。
筋肉を効果的に付けるタイミングとして筋トレ直後から30分以内が有効であると言われている。
これをゴールデンタイムと言い、筋肉の合成が高まる筋トレ直後にプロテインを摂ることで、通常の食事からタンパク質摂取に比べて効果を引き出すことが可能となる。
その他、ダイエットにも効果的なプロテインがあり、これはタンパク質が多く含まれていることはもちろんだが、一日の食事から一食を置き換えたり、カロリー制限と合わせることでダイエット効果を得ることができる。
このようにプロテインには、筋肥大に効果的なプロテイン、ダイエットに効果的なプロテインなど、成分によっていくつかに分類されているので、目的に合わせて摂取してほしい。
特に筋肉づくりにおいては、クレアチンとプロテインは肉体の成長に大きな効果をもたらすであろう。