デッドリフトには、ノーマルなデッドリフト、スティッフレッグド・デットドリフト、ルーマニアン・デッドリフトなどが存在する。
他にも、スモウ・デッドリフトなどがあるが、ここでは微妙な違いから分かりづらい、上記3つのデッドリフトについて比較してみたい。
上級者の方は復習に、初心者の方はここで違いを確認し、種目を選定する上で役立てていただきたい。
なお、関節の動きとしてはスクワットに似ており、スクワットがバーを担いで行うのに対し、デッドリフトは下に持って動作する。
ただ、デットドリフトはスクワットよりも股関節の動作を強調したトレーニングであり、股関節伸展筋への刺激が強くなる。
以下でそれぞれの動作や筋ターゲット、共通点などを比較する。
デッドリフト (ベントレッグ・デッドリフト) 一般によく耳にするノーマルなデッドリフト |
【ターゲット】 脊柱起立筋・ハムストリングス(※1)・大殿筋・大腿四頭筋(※1) (※1)大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋の総称。 (※2)大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋で構成される。 |
【特徴】 【スタートポジション】 2.立ち姿勢では、肩甲骨を寄せ(※1)、背中は自然なS字カーブを描くようにする。(胸を張り、背中をまっすぐに伸ばすイメージ。腰(股関節)は前に突き出さない)。 【動作】 ━━━━━━━━━━━ ※1 【共通の注意点】 なお、直立時に肩甲骨を寄せる際には腰椎がわずかに前弯するが、これは脊柱起立筋の短縮性収縮を引き起こし、脊柱起立筋への刺激となるため、トレーニング効果として有効な範囲である。 ただし、トレーニング上級者がさらなる脊柱起立筋群の強化を目指す場合、あえて背中を反らす(過進展させる)ことで背部の収縮を大きくすることがある。 ———————-
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スティッフレッグ・デッドリフト (ストレートレッグ・デッドリフト) |
【ターゲット】 脊柱起立筋・ハムストリングス(主に大腿二頭筋の上部)・大殿筋 |
【特徴】 【スタートポジション】 【動作】 ———————- 3. 下降動作中、バーを脚に沿わせるイメージでできるだけ脚から離れていかないようにする。 4. 背中が床と平行になるところまで、上体を倒し、下降動作終了。 5.股関節と脚を伸ばしながら(伸展させながら)バーを引き上げ、スタートポジションに戻る。 下降途中でハムストリンスに大きな張りが出でひざを曲げざるを得ない状態になったとき、あるいは背中のS字カーブが崩れ、背中や腰が丸まりそうになったところで下降動作を終了させ、引上げ動作に移る。 ハムストリングスの張りに関しては、柔軟性を高めることで改善できる。改善の結果、より深く下ろすことができるようになる。 S字カーブの崩れは、重量が重すぎる場合に発生することが多く、重量を軽くすることで、よりS字カーブを維持できるようになる。 現在、傷害の危険が増すことからスティッフレッグ・デッドリフトを実施することは少なっており、下背部を強化するトレーニングとしては下記のルーマニアン・デッドリフトが奨められる。 ———————- |
ルーマニアン・デッドリフト |
【ターゲット】 脊柱起立筋・ハムストリングス・大殿筋 |
【特徴】 【スタートポジション】 【動作】 3. 下降動作中、バーが脚から離れていかないように脚の近くに沿わせて下ろしていく。 4. 背中が床と平行になるところまで、上体を倒し、下降動作終了。 5.股関節と脚を伸ばしながら(伸展させながら)バーを引き上げ、スタートポジションに戻る。 ━━━━━━━━━━ 股関節伸展筋群にフォーカスすると同時に、動作中のアイソメトリック及び直立時のわずかなコンセントリックにより脊柱起立筋の強化を目指す。 バーを脚、腰、体幹の近くに保持し、動作する。(体に沿わせるイメージ) グッドモーニングエクササイズをバーを下に持って行うエクササイズと考えても良い。 |
■スタートポジションの位置づけ
パワーリフティング等の競技では、床に置いたバーベルを握りポジションを取った姿勢がスタートポジションとなるが、一般トレーニングおいては、ラックからバーベルを外してからの動作(スクワットでラックからバーベルを外し、直立姿勢からスタートするのと同様の考え方)も多いため、便宜上、直立姿勢をスタートポジションとして統一する。バーベルを床に置いている場合は、デットリフトの要領で一度立ち上がってスタートポジションとする。