有酸素運動は筋トレによる筋肥大を悪影響を与えるのか?
筋肥大を目指すなら脂肪もそぎ落としたシャープな肉体を作り上げたいもの。
そこで脂肪を効率的に燃焼させるために行うのが有酸素運動になるのだが、有酸素運動を行うと筋肉を最大限に成長させる上では悪影響を与えると言われている。
過去にクレーマーらが行った研究によると、「筋トレ」のみを行うグループ、「筋トレ+有酸素運動」(同日に行う)を行うグループ、「有酸素運動」のみを行うグループで3カ月間トレーニングを行った結果、「筋トレ」のみを行ったグループが最も筋肥大(筋力も)に効果があったと報告している。
これは、筋トレと有酸素運動の異なった刺激により筋肉への反応を相殺してしまうからだと言われている。
逆に持久力(有酸素性持久力)の向上に関しては、「有酸素運動」のみを行ったグループが最も効果があった。
そのため、筋肥大トレーニングの効果を最大限に発揮するには「筋トレ」のみを行うのが効果的であり、脂肪燃焼に関しては、有酸素運動ではなく、栄養管理を基本に計画を立てることが、筋肥大の効果をできるだけ損なわない対策となる。
(あくまでここでの説明は筋肥大に重点を置いたものであり、健康維持・増進に関しては筋トレも有酸素運動もどちらも行うことがベストである)
どうしても筋トレと有酸素運動を同時並行して行う必要があると言った場合は、その順番に注意する必要がある。
こちらのサイトで解説しているように脂肪燃焼を促進する順番は、「筋トレ→有酸素運動」の順番であるが、筋トレの効果をできるかぎり阻害しないという意味においても「筋トレ→有酸素運動」の順番となる。
有酸素運動を行うと脂肪細胞が遊離脂肪酸とグリセロールに分解される。その遊離脂肪酸の濃度が高まった状態だと筋肉の成長に必要な「成長ホルモン」の分泌を制限してしまうことが分かっているためである。
そのため、筋肉の成長に欠かせない「成長ホルモン」の分泌を阻害しない「筋トレ→有酸素運動」の順番で行うのである。
このように筋肉の成長と有酸素性持久力を総合的に向上させる場合は、「筋トレ+有酸素運動」を行うのが最も効率的である。
特化したトレーニングよりも効果は落ちるが(落ちると言っても短期的にはミクロレベルの差)、総合的な体力の向上には適しているのである。
筋肥大トレーニングをする目的で考えると、
ボディービルダーは、筋トレ(ウォームアップでジョグ程度は入れる)と徹底した栄養管理により、体を筋肉の鎧と化していくが、
細マッチョやスタイリッシュな体型を目指す場合は、「筋トレ+有酸素運動」で引き締まったシャープな肉体を作っていくのが選択肢の一つとして考えられる。